“短命化”の原因は「モアイ」――模合って何!?
厚生労働省は12月13日「都道府県別生命表」を発表した。2015年の都道府県別平均寿命は、男性1位が滋賀県(81.78歳)、女性1位は長野県(87.67歳)と、多くのメディアが報じた。
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だが、「長寿県と言えば、確か沖縄県が有名じゃなかったっけ?」という疑問が浮かんだ方もいるはず。実は近年、沖縄は長寿県の座から転落してしまっているのだ。論より証拠。沖縄県の推移を見てみよう。発表は5年おきになる。
【平均寿命:沖縄県・男】
1975年:10位 72.15歳
1980年: 1位 74.52歳
1985年: 1位 76.34歳
1990年: 5位 76.67歳
1995年: 4位 77.22歳
2000年:26位 77.64歳
2005年:25位 78.64歳
2010年:30位 79.40歳
2015年:36位 80.27歳
【平均寿命:沖縄県・女】
1975年: 1位 78.96歳
1980年: 1位 81.72歳
1985年: 1位 83.70歳
1990年: 1位 84.47歳
1995年: 1位 85.08歳
2000年: 1位 86.01歳
2005年: 1位 86.88歳
2010年: 3位 87.02歳
2015年: 7位 87.44歳
平均余命は伸びていても、全国順位が男性は00年代、女性は10年代から一気に落ち込んでいる。特に女性は05年まで連続して1位をキープしていたため、落差の印象が大きい。
40代以下が“短命化”の主役
一体、何が原因なのか、沖縄県保健医療部に訊いてみた。
「75歳と65歳の平均余命は依然として、男女共に順位は高いんです。男性は(全都道府県中)2位と6位で、女性は共に1位です。これより低い年齢層で、平均余命の順位が下位に位置したため、全体を押し下げています」
これも具体的に数字を見てみよう。
【平均余命:沖縄県・男】
75歳: 2位 12.62年
65歳: 6位 19.80年
40歳:38位 41.36年
20歳:36位 60.67年
0歳:36位 80.27年
【平均余命:沖縄県・女】
75歳: 1位 16.51年
60歳: 1位 25.19年
40歳: 4位 48.25年
20歳: 7位 67.80年
0歳: 7位 87.44年
確かに40歳以下が“短命”となっていることが浮き彫りになっている。地元沖縄県では、10年に女性が1位から3位にランクを落とした時に、大きな話題となったという。地元メディアや医療系サイトなどが記事を掲載し、背景として挙げられたのが、次のような仮説だ。
沖縄では本来、食生活は質素。主食はサツマイモ。大豆や昆布の摂取量が多く、その上でハレの日に豚肉を余すところなく食べた。南の島で新鮮な野菜も豊富。雪国のように塩分の高い漬物で保存する必要もなかった。だが米軍占領期に、ファーストフードやスパムミートなどのジャンクフードが沖縄の日常食に入り込む。それを40代以下が好んで食べるため、高カロリー、高塩分の食生活となり、沖縄の短命化が進んでいる――。
こうした仮説の信憑性を沖縄県の医療関係者に問うと、「嘘ではありません。ファーストフードの害は大きいですよ」と頷く。
県民が酒を飲み過ぎ!?
「沖縄の現状は本土でも、10年後、20年後に起きておかしくない状況だと考えています。沖縄は米軍に占領された結果、アメリカ流の食生活が定着するのが本土より早かった。それが今になって影響を与えているとすれば、本土でも近い将来、沖縄と同じような状況になる危険性はあると思います」(沖縄県の医療関係者)
こうした指摘を前出の沖縄県保健医療部に訊いてみると、「我々も食生活は大切だと考えています。しかしながら、より改善が急がれる原因は別にあります」と言う。
「バランスの良い食生活を心がけるよう、県としても様々な啓発活動を行っています。しかしながら死亡原因を見ると、日本人の三大死因と呼ばれる、がん、心疾患、脳血管疾患は沖縄県でも死因の高位を占めていますが、加えて肝疾患の死因が男女共に全国ワースト1位なのです。つまり県民がお酒を飲みすぎているという問題も浮かび上がってくるんです」(沖縄県保健医療部)
都道府県別の飲酒量に関するデータは、公的機関が作成したものに乏しいようだ。大半は国税庁の統計などから推定値を導き出しているのだが、沖縄県医師会は「アルコール消費量全国1位」としている。だが4位とするところもあるし、20位台と中位に位置付けている調査もある。そこで県保健医療部に訊いてみると「呑む時に一気に呑む」のが県民の流儀なのだという。
月に1度の呑み会「モアイ=模合」
「毎晩、晩酌を欠かさないというタイプではなく、全国と比較しても呑み会の回数が多く、その時に大量にアルコールを摂取する傾向があると考えています。例えば沖縄では、地縁・血縁に根ざした“模合(もあい)”というグループがあり、かつては地域の金融システムとして機能していました。ところが今は、呑み会のグループに変容していることも少なくないんです。具体的には、毎月に1度、酒宴が開かれます。社交的な人は模合を掛け持ちしているので、更に飲酒機会は増えます。そして沖縄県に限らず、お酒の場で出てくる食べ物は、高カロリー、高脂肪のものが少なくありません。シメに炭水化物を大量に摂取する人もいます。更に車社会ですから終電を気にせず呑みますし、これが運動不足の原因にもなっています。こうしたことが折り重なって、沖縄県の平均余命を引き下がっていると考えています」(沖縄県保健医療部)
極論すれば、たとえ週に2回の休肝日はしっかり確保していても、残り5日を大量飲酒しては意味がないということになる。しかも沖縄の名産と言えば泡盛。美味は広く知られているが、アルコール度数は高い。「節酒」は沖縄県民に限らず、本土でも耳の痛い人は多いだろう。だが沖縄の現状を“反面教師”にしたほうがよさそうだ。
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週刊新潮WEB取材班
記事・週刊新潮より引用
うちな〜が長生き沖縄県だったのにね(^.^)飲み会とか付き合いたくさんありますからね(^^;;
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